PURELOVE
あたしは、今日初めて圭君の顔を見た。


「何があったかは知らないけど、俺は何もしないから。安心していいよ?」


「…うん。ありがと、圭君」


その言葉にあたしは、スゥ~と緊張が消えていった。


「どういたしまして♪今日は楽しもうな!」


「うん!」


「おっ!俺、初めてみっちゃんの笑った顔見た!」


「えっ?笑ってなかった?あたし…」


「うん、笑ってなかった。ずっとこ~んな顔してた!」


「そっ、そんな顔してない!」


変な顔をする圭君を思いっきり睨んだ。


「ごめんごめん!」


「も~!」


「あっ、次降りなきゃ!」


「え!次?」


あたし達は急いで水族館の近くの駅で降りた。


日曜日とあって、水族館は家族連れやカップルなどで賑わっている。


「混んでるなぁ~。みっちゃん、俺から離れるなよ?」


「うん、心配しなくても大丈夫だよ?」


「みっちゃん、トロそうだからな~。ちょっと心配!」


「トロくなんてないよっ!」


「へぇ~。幼稚園の頃、思いっきり転んだのって誰だっけな~?」


「そ…それは、幼稚園の時の話でしょ?今は大丈夫だもん!」
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