PURELOVE
「なら、いいけど!じゃ、入るか!」


「うん!」


パンフレットを貰って中に入る。


すぐ目の前には大きな水槽があって、あたしはちょっと小走りして近づいた。


そして小さい子に混ざって、水槽にへばりついた。


「うわ~!魚がいっぱーいッ♪あ!ほら見て、圭君!」


「どれ?」


「あの魚!こっち見てるヤツ!魚って正面から見ると、変な顔に見えるね!」


「…あぁ、そうだな」


こんな風にあたし達は、壁に記された道順通りに奥へと進んで行った。


イルカのショーを見たり、ナマコやヒトデなどが触れるコーナーに行ったり…


あたし達は、水族館を思いっきり楽しんだ。


そして最後に、売店でお土産を買うことにした。


「う~ん…どっちがいいかなぁ?」


あたしは、水族館にいる生き物の形をしたクッキーとイルカのぬいぐるみのどっちを買うか悩んでいた。


すると、圭君は…


「みっちゃん、ちょっとここで待ってて!」


と言って、去って行った。


……トイレかな?


あたしはチラッと圭君の後ろ姿を見て、もう一度どっちを買うか頭を抱えた。
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