PURELOVE
後ろを振り返って、自販機の場所を確認した俺。


「……そうみたいだな」


少し恥ずかしくなりながら、自販機まで走った。


「はいっ!温かいレモンティー!」


わざと温かいを強調させて手渡した。


「ありがとう♪」


冷めた体に温かい飲み物は自然と心もホッとする。


「楓君、ここに何があるの?」


「ん?…あと30秒待って!」


時計を見ながら、そう言った。


まだ納得できてない様子だったけど、立川が頷いた。


そして…


6時ちょうどを知らせる鐘と共に、駅前の真ん中にある大きな木が点灯した。


クリスマスのため、木は綺麗に飾り付けられている。


「うわぁ~!」


立川が声を上げた。


「どう?すごいだろ?」


「うん!あたし、感動しちゃった☆」


「それは良かった♪」


「あたし、今までで一番素敵なクリスマス過ごせた気がする!全部楓君のおかげだよ!」


その時の立川の笑顔は、ツリーに負けないぐらいキラキラと輝いて見えた。


「俺も!あ、もう1つあるんだ!立川にクリスマスプレゼント♪」


「あ、あたしも!忘れる所だった!」
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