PURELOVE
あたしのトリュフは、案の定彩花のガトーショコラよりも早く完成した。


あとは固まるのを待つだけっ♪


まだ一生懸命作っている彩花をキッチンに残して、楓君に電話をかける。


プルルル…プルルル…


『もしもし?』


「あ、楓君?今大丈夫?」


『あぁ、大丈夫だけど?美鈴から電話してくるなんて珍しいな!』


元旦から楓君は、あたしを美鈴って呼んでくれるようになったんだけど…


そう呼ばれることに、実はまだ慣れてないんだ…


ちょっぴりくすぐったくて、何だか胸の奥がキュンって小さくなるんだもん。


「えっ、そぉかな?」


『あぁ。で、どうした?』


「あのね、今日…会えないかな?」


『…え、今日?』


「うん…ダメ?」


『や、全然!余裕で空いてるし!』


「ホント?良かったぁ♪何時なら大丈夫?」


『あ~…今さ、図書館で一輝と勉強してんだ。だから、図書館閉まってからでもいいか?』


「一輝君と?なら、丁度良かった♪じゃあ、彩花と一緒に行くね!」


『え、彩花ちゃん?』


「うん☆じゃあ、あとでね♪」


よしッ、これでOK!


楓君が一輝君と一緒なんてすごい偶然。


あたしは、ルンルン気分で彩花のいるキッチンに戻った。
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