PURELOVE
「うん。勉強は捗(ハカド)った?」


「あぁ。だから、最近肩凝るんだよな~。(笑)」


「アハッ☆オジサン臭~い!」


そう言って笑う美鈴は、寒さのせいか頬が少し赤かった。


「ん。これ、してろよ!」


巻いていたマフラーを渡す。


「…え、いいの?」


「おぅ。」


「ありがと!…エヘッ、あったか~い♪」


美鈴の笑顔を見て一安心し、俺は一輝と彩花ちゃんに目を向けた。


こっちを見てコソコソと話をしているのが、チラチラ視界に入ってきてたから。


「…お前等、さっきから何ジロジロ見てんだよ?」


「いやぁ~、随分カップルっぽくなったな~って思って…」


一輝がそう言うと、彩花ちゃんも口を開いた。


「あの2人がこんな会話をするようになるなんてねぇ~」


「そうだよな!まさか、ここまで上手くいくとは…」


「ホント!滅茶苦茶男嫌いだった美鈴がこ~んな顔して楓君と話してるなんて、思いもしなかったわ…」


「…そ、そんな顔してないもん!」


彩花ちゃんの言葉に、美鈴が顔を真っ赤にして否定した。


「楓だって…サッカーのことしか頭になかったのに、まさか美鈴ちゃんにマフラー貸しちゃう気遣いができるなんて…ホント、人生何が起こるか分かんねぇもんだな!」
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