PURELOVE
「…そんな笑うなよ!じゃあ…これ!」


迷った挙句、抹茶を先に食べた。


「どう?不味くない?」


「おぅ。めっちゃウマイ!!ありがとな?」


「良かった♪」


次々とチョコを食べていく。


「そんな食べると、鼻血出ちゃうよ?(笑)」


「だって、うめぇんだもん!それに頭使ったから腹減ってんだよ!」


「…お腹の足しにあたしのチョコ使わないでよ!」


そう言うと、美鈴は俺からチョコを奪った。


「…ちょ!返せよ、俺のチョコ!」


「ダ~メッ!」


怒りながら笑っているという何とも面白い顔をしながら、美鈴はチョコを1つ取り出した。


そして、パクッと一口。


「ん、美味しい♪」


「あ~!俺のチョコ!返せよ!さっき全部俺のだって言ったじゃねぇか!」


「…やだよ~だっ!もう十分食べたでしょ?」


「食ってねぇ!返せっ!」


そう俺が言ってる間に、美鈴はまた箱に手を伸ばした。


…くそっ!元サッカー部を嘗めんなよ!


俺は、美鈴に向かって全速力で走り出した。


「こら、待て!チョコ泥棒!」


「キャー!追っかけてきたぁ!来ないでぇ~!」


とまぁこんな感じで、全くムードの欠片も何もなかったわけだけど…


これはこれで結構楽しかった。


走っている時も俺達の顔には笑顔が溢れていて、ただ単純に幸せを噛み締めた。
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