PURELOVE
「もうちょっとみんなといたかったのにぃ!」


ブチブチ文句を言うあたしに、彩花が平然とした顔で一言。


「打ち上げで会えるじゃない!7時からでしょ?」


「…う"。そ、そうだけど…」


「じゃあ、文句ばっかり言わないでさっさと歩く!」


根負けして、仕方なく彩花についていくことにした。


「……ねぇ、どこ行くの?」


「着いてからのお楽しみ♪」


―――――――――――――

――――――――――――


どんどん先に進む彩花を懸命に追いかけていると、何となく見覚えのある建物が現れた。


あれ?ここって………


「……楓君の学校?」


「大正解っ!」


「ここの生徒じゃないのに、勝手に入ったら不味くない?」


あたしは、制服を摘まんでヒラヒラさせた。


「大丈夫、大丈夫♪じゃ、美鈴はあそこで待ってて!」


「え、彩花は?」


「あたしは一輝の所に行ってくるから♪じゃあねぇ~☆」


え、嘘でしょ……!?


人混みに紛れていく彩花をただ呆然と見つめた。


……と、とにかくこんな所にいたら誰かに見つかっちゃう!


一先ず、さっき彩花が指差した方向に向かった。
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