PURELOVE
「さっき一緒にいた男の子だよ!」


「え!嘘?さっきの男の子が!?」


「あんた…もしかして、何も聞いてないの?」


「う、うん…」


「前、自分で楓君のサッカーの大会があるって言ってたんじゃん。忘れたの?」


「…へ?大会?」


「そうよ。今日ここでその大会があるの!だから、その応援にあたし達は来たのよ?」


「来たのよ?って、あたしにそんなこと一言も言ってくれなかったじゃん!」


「言ったら、今日来なかったでしょ?」


「う゛…まぁ、来なかったかもしれないけど…」


「かもじゃなくて、絶対来なかった!!それにしても…あんた、楓君とは全然嫌そうじゃなかったね~」


ニヤニヤしながら、彩花が言った。


「な、何それっ!?もしかして、ずっと見てたの?」


「ん?ちょっとだけね♪まぁ、これからが楽しみねぇ~」


「楽しみって何が…ちょ、ちょっと待ってよ~」








先にスタスタ歩いていく彩花の後ろを、あたしは懸命に追いかけた。
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