PURELOVE
正直これ以上関わりたくなかったけど、見つけてしまったのだから仕方ない。


早くしないと、後半戦も始まっちゃうし!


「大丈夫!何もしねぇから!」


めっちゃ必死になって止めた。


抵抗しなくなった立川をベンチに座らせ、携帯を取り出して一輝に電話をかける。


「もしもし?あぁ、俺。見つかった。あぁ。入口近くのベンチにいる。あぁ、じゃあな。」


予想以上の男嫌いを見せつけられた俺は、ベンチには座らず立ったまま一輝が来るのを待つことにした。


試合も大切だけど、一番やっちゃいけない事は焦ることだと自分に言い聞かせ、雲が流れていくのを見ていた。


少しすると、


「みすず―――!!」


と呼ぶ声が聞こえた。


声が女みたいだけど、きっと一輝の彼女だろう。


やっと解放される!


俺は2人の会話なんて関係なしに、グラウンドに戻ることを伝え、その場を後にした。


時計を見ると、もう後半戦がはじまって10分が経っていた。


うわ~、これはやべぇ!


点数変わってなきゃいいけど…


それにしても…立川の腕細かったな~


身長も俺の肩ぐらいしかねぇし…


……ハッ!


俺は何を考えてんだ!


集中…集中!


俺は、走る速度を速めた。
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