PURELOVE
俺のポジションはオフェンスだったから、今回の大会のゴールの半分を決めていた。


もちろん仲間のアシストがあってこそのゴールだけど、相手はさすが優勝校だけあってマークが厳しい。


せっかくの仲間のパスも相手に捕られてしまうことが多く、前半は0‐0のまま終了した。


「くそっ!」


ベンチに着くなり、俺はどかっと座った。


仲間が繋いで、初めて俺の所までくるボール。


それを点数に繋げられないのが悔しくて、申し訳なかった。


コーチや仲間は一切責めてこなかった。


それが余計俺の気持ちを煽る。


すると、それまで黙っていた池田が隣に座ってきた。


「おい、楓!まさか点が取れないのは自分のせいとか思ってるんじゃねえか?」


「………」


当たり前だろ?


ディフェンスのヤツらが精一杯食いついて、ゴールさせないようにしてるから今は同点だけど…


守るだけじゃ勝てねぇじゃねぇか!


そう思ったけど、口には出さなかった。
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