PURELOVE
仲間と整列のために真ん中に歩いていく途中、俺は後ろを振り向いた。


しかし、そこにはもう立川の姿はなかった。


少し残念に思いながらも、俺は優勝という言葉に何ともいえない感動を抱いていた。



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閉会式になり、偉い人達が今日の大会の感想を述べていく。


そして、表彰式に移った。


「優勝、☆★高校!」


名前を呼ばれ、部長の池田と副部長が行くと思いきや、メンバーのみんなは俺の肩を押した。


「お前がシュート決めたんだから、お前が行けよ!」


池田がそう言うと、みんなが頷いた。


「みんな…サンキュー!」


込み上げてくる涙にぐっと耐え、俺は前に出た。


「優勝、☆★高校。あなた方は~………。おめでとう!」


賞状を俺が貰い、優勝カップを池田が受け取った。


最っ高にいい気分だっっ!



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大会が終わった後、部員全員で焼き肉屋に行った。


もちろんコーチの奢りで!


それをいいことに、みんなわざと高い肉ばかりを頼んでいる。


コーチは、その度に密かに財布の中身を確認していた。


それが面白くて、俺は一人ニヤニヤをみんなにバレないようにするのに苦労した。
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