ＰＵＲＥＬＯＶＥ
「い…いないよ！好きな人なんて！」


「あ～らっ、つまんないわねぇ～」


「ホント！花の女子高生なのにね！」


「あ、女子高生といえば真美ちゃんが恭介さんと出会ったのもそのぐらいじゃないっけ？」


真美っていうのはあたしのママ、そして恭介はパパの名前。


ママとパパが出会った時の話はよく聞かされていた。


だから盛り上がっている二人を部屋に残し、あたしは拓海君の寝ている部屋に向かった。


ソッとドアを開けると、もう起きていたらしく拓海君は部屋の中を探索していた。


「あれ、拓海君起きてたの？ママ帰ってきてるよ！行ってみよっか！」


優しく抱っこをして、またさっきの部屋に戻った。


ドアを開けなくても、二人が盛り上がっているのがよく分かった。


「裕子さん、拓海君起きてましたよ！」


「ホント？ありがとう」


拓海君を返すと、裕子さんは時計を見ながら言った。


「あら、もうこんな時間？夕飯の用意しなきゃ！真美ちゃん、美鈴ちゃんまた来るわね。」


「そう？じゃあ、気をつけてね！」


「またいつでも来て下さい♪」


二人が帰っていくのを見届けてから、あたしは自分の部屋に戻った。
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