PURELOVE
「そ、そうだけど……でも…」


「もう分かった!この手は使いたくなかったけど、仕方ない。絶対男が近寄らないようにするから、明日あたしん家に8時半に来なっ!」


「え…どうするの?」


「返事は?」


「…は、はい…」


また彩花の迫力に負け、あたしは消えるような小さい声で返事をしてしまった。



[男が絶対に近寄らない方法]


そんなこと、できるのかな…?









不安は消えなかったけど、その日は彩花が急に用事ができたらしく、一人で学校を後にした。


――――――――――――

―――――――――――


次の日。


ただ今の時刻は、8:45。


完璧遅刻だぁ――っ!!


ピンポ―ン!


彩花の家はすごい豪邸で、玄関も比例するように大きい。


何度も来てるけど、いつもその大きさにびっくりしちゃうんだよね。


ガチャ!


「あ、おはよう!彩花」


そう言おうとしたのに、


「あ、お…」


しか言えなかった。


正確には、言わせてもらえなかった…かな?
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