PURELOVE
最後に髪を結んで、見えないようにキャップの中に入れる。


「あら、結構いいじゃない♪そこら辺の男子より、イケテるわよ。」


彩花にそう誉められ、ちょっぴり照れてしまった。


確かにこの格好なら、大丈夫かも…!


俄然行く気になって、鏡の前でポーズも取ってみた。


「…でも、また新たな問題が発生したわね…」


彩花が口にした意味深な言葉。


「…え?」


「ううん、何でもない。さ、早く行かなきゃ始まるわよ!」


「…?…う、うん」


さっさと先に行ってしまう彩花を追って、あたしも急いで部屋を出た。











彩花のさっきのセリフの意味が分かるのは、もう少し先のこと。


電車に乗って、やっと学校に着いた。


見ると、人人人!


&男男男男男男!!!


一気に体が固くなる。


「ほら、あんたは男!誰も近寄ってこないわよ!」


彩花に元気?づけられ、やっとの思いで足を前に進めた。



入口には大きなアーチがあって、その下で生徒がチラシを配っている。


「2年1組、お化け屋敷やってるので来て下さい!」


「白雪姫やってる3年2組です!11時半~1回目の公演しま―す!」


入っていく人、一人一人に渡してる。
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