PURELOVE
やっと人のいない所に着いた。


「ふぅ~!ここまで来れば大丈夫だろ!」


そう言って腕を離してくれた。


「あ…あり…がと…」


息切れがして、上手くお礼が言えない。


やっとのことで顔をあげると、そこにいたのは…男!


ってゆうか、楓君っ!?


ま~じ~で~?


電話した日から、お互い電話のことには一切触れずに今日まで過ごしてきた。


電話だって無理なのに、直接会うなんて…


一気に緊張&大パニックになった。


「お前、ミッスーだろ?」


「…え?うん…」


「やっぱりな~!ずっと池田が…あ、池田っていうのはさっき先頭にいたやつなんだけど…『ミッスーってヤツを捜してる。何だかそいつ、企画にちょうど合ってるらしい』って言ってたんだ」


「へ…へぇ~」


フレンドリーに話しかけてくる楓君に、あたしは一人ついていけなかった。


電話の時も、全然話さなかったのに何で今はこんな普通に話しかけてくるんだろう?


「みんなが言ってた通り、まじで女よりも可愛いな、お前!」


……え?


あ…そっか!


あたし、今男装中だっけ?


すっかり忘れてた…
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