PURELOVE
メイド服というのは俺達、3年6組がやってる飲食店で着ているモノ。


3年になるとどのクラスも劇をやっているんだけど、ウチのクラスはその裏をかいて飲食店をすることにした。


女はメイド服、男はスーツを着ているせいかは分かんねぇけど、結構人は来ている。



一通り説明をして、玄関に向かった。


あ、これじゃ不味いよな…


「立川!これ着て!」


そう言って、自分の着ていたジャージを渡す。


「??」


全く意味が分からないのか、立川は首をかしげた。


「今学校じゃ、ミッスー探しでみんな走り回ってるからそれかぶってて。」


「あ…そっか。ありがとう」


初めて微笑んだ顔を見て、俺は少し変な気持ちになった。


玄関に向かう途中、執行の奴らが近寄ってきた。


「なぁ、山本。お前、ミッスーってヤツ見なかったか?」


「いや、見てないけど?」


「そっか~、サンキュー!」


「おぅ!」


少し話していただけなのに、立川は俺の腕を掴み、少し震えてる。


よっぽど男が怖いんだな…


そういや俺といる時も、全然話さずに強ばった顔してるよな…


きっと俺といるのも嫌なのかもしれない。


そう思ったら、心が少し痛くなった。
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