PURELOVE
黙ったまま、歩く俺達…


やっと調理室に着いた。
(食べ物をここで作って、隣の家庭科室まで運んでいる)


「お疲れ~」


そう言って中に入る。


「あ、山本!お疲れ!お前、次当番だっけ?」


「俺もう終わったし!…それより、メイド服って一つ余ってない?」


「えっ!お前、そんな趣味あったの?」


「違うっつの!ほら、これ!」


そう言って、立川に貸したジャージを取った。


「「まさか…ミッスー?」」


そこにいた全員が面白い程綺麗に、声を揃えた。


「あぁ、そのミッスー。こ…」


俺が続きを言うのも聞かずに、


「写真撮って~!」


とか言って、立川の回りに人が集まっていった。


「え…ちょっと…」


かなり引き気味の立川。


一気に人に詰め寄られ、後ろに尻餅をついた。


その拍子に帽子が落ちて…


縛っていた髪が顕(アラワ)となり、これで誰が見ても女だと分かる。


「「…嘘!」」


また綺麗にハモった。


「これで分かっただろ?可愛い系の男ミッスーは、実は女だったのです!」


俺は、手品の種を明かすように言った。
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