PURELOVE
「…何で男装してんの?」


一人の男が聞いた。


「ば、バカね!」


その質問に隣にいた女子がそう言って耳打ちをした。


「あ~!そういうことか!」


納得したように頷く男。


俺に近づいて、


「お前もなかなかやるな♪」


と小さく呟いた。


「??」


意味が分からない。


ま、それはおいといて…


「で、余ってるの?余ってないの?」


「多分、余ってたと思うけど」


そう言いながら、一人の女が段ボールの中を引っ掻き回した。


「あ!あった!」


「そっか、良かったな!立川」


「う、うん…」


「これ、一人じゃ着るの難しいからあたし手伝うよ!」


「ありがとう」


「キャー!女の子だって分かってるのに、その笑顔犯罪だよ」


そう言いながら、二人は教室を出ていった。


ふぅ~、とりあえず一件落着だな!


そう思って、安堵のため息をつくと…


「で、ホントのところどうなのよ?」


何だか俺、今みんなの注目の的みたい。


「…何が?」
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