PURELOVE
「ちょっと待ってて!今持ってくるね!」


「でも…理英ちゃん着るのなくなっちゃうでしょ?」


「あたし、まだ当番終わんないし、ジャージあるから大丈夫だよ♪」


「ごめんねぇ~、あたし迷惑かけっぱなしで…」


「いいのいいの♪ミッスーの頼みなら、あたし何でもやっちゃうし!」


「ミッスーって呼ばないで!」


「アハハ♪はい、これ!」


「ありがとう!」


こんな会話をして、立川は出ていった。


俺もスーツを脱いで制服に着替えた。


「じゃ、行こっか!」


立川が戻ってきたため、また俺達は調理室を後にした。


初めて見た(当たり前なんだけど…)制服姿は、すごく新鮮だった。


何かここの生徒と変わらない。


実際一緒のクラスなんじゃないか…って錯覚してしまう。



「「…………」」


何故か急に無言になってしまった俺達。


すると、前方に仲良く手を繋いで歩いている一輝とその彼女を見つけた。


「あっ!」


「えっ?」


いきなり大声を出したせいか、立川はビックリして俺の顔を見上げた。
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