PURELOVE
「あ、ちょっと落ち着いて!みっちゃんでしょ?」


「…え?」


「俺圭吾!荒井圭吾!覚えてない?」


「…え?あらい…けいご?う~ん…覚えてない…です」


でも、みっちゃんって何だか懐かしい気がする…


「覚えてないのか~。俺、みっちゃんと幼稚園の時仲良かったんだけどな~」


幼稚園…?


―――――


『みっちゃん、遊ぼ!』

『いいよ、けい君!何する?』


―――――


ぼんやりと思い出した幼稚園の頃。


「…もしかして……圭君!?」


「ヤッタ!思い出してくれたんだ。」


「うん…でも何で?小学校に上がる前に引っ越したでしょ?」


「親父の都合で引っ越したけど、高校こっちが良かったから戻ってきたんだ」


「あ、そうなんだ…」


幼稚園の時は随分仲が良かった気がするけど、男の人が苦手になったあたしは圭君みたいに普通に話せない。


「ここで会ったのも何かの縁だから、アド交換しようぜ!」


「あ……うん」


半強制的に赤外線交換されたあと、また腕を引っ張られた。


「あ、ちょっと…!」


焦っているあたしに、圭君は笑顔で言った。
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