Crazy Love
淡々とした口調でここまで一気に話して、カズくんは一瞬、目線をテーブルに落とし、再びため息を付くとそれまでより声のトーンを少し上げて、話を続けた。
「と、いうわけ。だから、ニシくんの子供ではないから。姉ちゃんが、勝手な事して勝手に産んだ子だからニシくんが責任を感じることはなにもないよ」
誰の子供にしろ、お腹に宿った一つの命をそれほどの強い意志で、一人で産んで育てることを決意した彼女の気持ちを思ったら、涙が出そうになった。
「出会い系サイトなんて、芹さんは間違ってもしないでしょ」
俺は「疑問」ではなく、「断言」する言い方をした。
芹は、たとえ俺が頼りなくて愛想を尽かしたからといって、絶対に出会い系サイトなんかに手を出す人じゃない。
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