Crazy Love
「もしかしたら、そのまま彼女の所に行ってしまうかもしれないって思った。でも、和也は一緒に暮らそうって言ってくれたでしょ。はじめは彼女の代わりかな? って思ったの。それでも良いと思ってた」

「それは違うよ」

「うん……一緒に暮らしてみて代わりじゃないってすぐに分かったわ。和也はまっすぐ私だけを見てくれてたし、ちゃんと私を愛してくれた。だから私、安心してたの」

理央は一つ小さなため息を付くと

「最近ね、和也が遠い目をすることが増えたような気がしてた。前の彼女を想っていたときと、同じ目を……だからね、今日ビールいらないって言われたとき、こうなる予感はしてたの。和也がどれほど彼女のことを想っていたかは分かってたし、一途に想い続けていた和也だから好きになったんだから仕方ないかなって! 覚悟は出来てた」

明るい声でそう言った。
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