Crazy Love
俺が言葉を失っていると、理央は「それに……」と話を続けた。

「もう「追いかける恋愛」は疲れちゃった。今度は「追われる恋愛」をするわ。
じゃあ、そういうことで。今夜はもう遅いから、明日実家に戻る。また今度、和也のいないときに引越は済ませるようにするから。とりあえずもうしばらくは置いておいて」

理央はあっさりとそう言い残して、お風呂に入ってくると足早に洗面所の方に向かっていった。

一人部屋に取り残された俺は、理央が色々なことを知っていたことと、あまりにあっさりと別れを承諾してくれたことが、頭の中で一度に処理できず、しばらくその場から動けなかった。
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