Crazy Love
「あ……ゴメン。いつも私がこの雑誌見ながら「パパが書いてるんだよ」って話してたから」

芹が気まずそうな表情で言った。

俺の雑誌を見ながら二人で話をしている光景を思い浮かべて、胸が詰まった。

「うん……パパが書いたんだよ」

言葉を詰まらせながら、ちょっとテレ気味に慣れない呼び名で自分のことを指さして言うと、

「パパ?」

言いながら、達也はまた首を傾げた。

「うん」

すると達也はじっと俺を見てからニッコリと笑って、

「パパ! だっこって(抱っこして)!」

と、俺に向かって両手を広げた。
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