Crazy Love
「俺さ、ガキっぽいこと言ったりしないように、少しでも早く大人の男になる様に頑張るから! だからさ!」

いつもの穏やかな芹に戻って欲しかった。

俺は彼女を説得しようと、格好悪いぐらい必死になった。

しかしそんな俺に、芹はためらう様子もなく、はっきりとした口調で

「私、その人と寝たよ」

と、さらに衝撃的な言葉を告げる。

頭の上から冷たい物を一気に浴びせかれられたように、一瞬にして全身が凍り付く。

「な……なに言ってんの……」

「その人に抱かれたの」

「なに言ってんの? なに言ってんだよ……」

顔色一つ変えずに言う彼女の言葉が信じられず、同じ事を馬鹿みたいに繰り返す。

「分からないの? 抱かれたって言って……」

「やめろよ!!」

俺の気持ちなどお構いなしに淡々と続く彼女の言葉に、俺は堪(たま)らず大声を上げた。
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