Crazy Love
「……それでもいい」

「え?」

「大人の男の人に惹かれてしまったのも、俺がしっかりしていなかったからだし。俺のせいだからから……」

こんな風に泣いていたら、ますますガキだと思われる。俺はしゃくり上げながらも気持ちを落ち着かせようと、一つ大きく息を吸い込んだ。

「俺のこと嫌いになったんじゃなかったら、もう一度やり直そうよ。本当に他の男に抱かれたとしたらそれは確かに嫌だけど……でも、俺の前から芹がいなくなる事のほうがもっと嫌だから、だからさ……」

祈るような気持ちだった。

俺が告白して初めて『付き合って欲しい』と言ったときのように、たとえ体の関係を持ってしまったことが本当でも、他に好きな人がいても、俺のことを想う気持ちが少しでもあるならば、彼女を愛し続けられると思った。
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