Crazy Love
俺の頭にはっきりと映っていた芹との未来は、絶対幻なんかではないと……

しかし、彼女の答えは『ノー』だった。

「ごめん。もう、和也くんに気持ちはないの」

「え……」

「だから……」

「嘘だ……嘘だよ……そんなの」

せめてもの希望を絶たれて、目の前が真っ暗になった。

なぜだか、涙も一気に止まってしまった。

2週間前会ったとき、体に触れることは拒まれたけれど、いつもと変わらぬ笑顔を俺に向けてくれていた。

別れ際に俺のことを呼び止めて「大好き」と言って、珍しく芹から抱きついてくれた。

とても強く、切ないくらいに……
< 26 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop