Crazy Love
いきなり待ち受け画面に映し出された、22歳の俺と27歳の芹の幸せそうな笑顔。

この時は、こんな風に別々の道を歩いていくなんて思ってもいなかった。

データBOXに入っている写真。

どれも、俺の大好きだった芹で溢れている。

メールBOXを開いてみる。

彼女の様子がおかしくなるまでは、主に電話や、会うことが多かったからメールは短い物がほとんどだ。

加えて、とても照れ屋だった芹。『大好き』などという甘いメールは、ほぼ皆無だった。

『もうすぐ着くよ』とか。

『仕事遅くまで大変だね。お疲れさま』とか。

何気ないけれど、愛おしかった言葉の数々……
< 34 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop