Crazy Love
「大丈夫ですか? こちらお使いください」

後ろから、懐かしい声がする。俺がずっと聞きたかったその声。

やっぱり間違いない。

もう逃げられない

「あ、すみません」

戸惑う俺より先に、理央が礼を言った。

ますます高鳴って行く鼓動に堪えながら、覚悟を決めて少し俯き気味に後ろを振り返る。

「あ、ありがとう……ございます」

言って差し出されたタオルを受けとると、目線を上げ彼女を見上げた。
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