Crazy Love
俺にタオルを手渡しながら、たとえ営業スマイルでも彼女が俺に笑い掛けてくれたことが、意外にも、もの凄くうれしかったのだ。

あの日の芹との再会を心に封印しようとすればするほど、その思いは日増しに強くなって行き、会いたいと思う気持ちは、理央が傍にいるときでもふっと頭をよぎる様にまでなってしまった。

このまま行けば、理央との関係もギクシャクしかねない。

俺は思い切って、次の休みに再び吉祥寺を訪れる事を決めた。

会ってどうにかなろうとは思っていない。

芹への気持ちに区切りをつけるためにも、ただ会って少しでいいから話がしたかった。
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