Crazy Love
「この間一緒にいた娘は彼女?」

「あ、うん」

「モデルさんみたいな、すっごいきれいな娘だったね。凄くお似合いだったよ」

「ありがと。そっちは……」

「え?」

「今、幸せ?」

ずっと聞きたかった。

俺を振って選んだ年上の彼との事。

「うん……幸せだよ」

芹は俺の質問に少し遠慮がちに答える。

「遠慮しなくていいよ。俺を振っておいて、幸せでいてくれないと報われないでしょ。俺が」

「……ごめんね」

そう言った彼女の目は、少し涙で潤んだように見えた。

そんな芹の顔を見て、俺も少し涙が出た。

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