Crazy Love


その後、10分ぐらいして彼女のケータイにどこからかメールが入り、帰らなければいけないと言うので、俺たちは店を後にすることにした。

「ゴメンね。引き留めて。でも、今日会えて、ちゃんと話が出来て良かった」

「私も。でも、30歳になった姿を見られてちょっと失敗かな」

「なんで?」 

「勝手な話だけど、ニシくんの中で27歳のまま止まっていて欲しかったかも」

「なに言ってんだよ。あのまま一緒にいたら、どっちにしたって見てたじゃん」

突然変なことを芹が言い出すので、思わずあの頃のような口調で話してしまう。

「そう…だけど……」

彼女の顔が少し曇っていく。
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