いつまでも
おはようのそのなかに、私とあなたのやり取りもあった。


「中山おはよっ」


返事をして席につくのだって、普通のこと。

だけど、あいさつしてくれることが、私にとっては特別なんだ。



―進藤翔

私の隣の席。



「まゆ、おはよー」



―宮川七美


私のいちばんの友達。




「なんか今日朝から先生たちバタバタしてんの。まゆなんか知ってる?」



「知らないなあ…」


七美は情報がはやい。
いつでもとろい私に、よくいろいろなことを教えてくれる。




チャイムが鳴って、それぞれが席についた。



先生が入ってくる。



「きりーつ、気をつけ、れい」


「おはようございます」




先生はいつもより、落ち着きがなかった。

七美の言ってた通りだ。



「えーっと、みんな急朝会をやることになった。並んで体育館に行ってくれ。」



みんな愚痴を言いながら、ぞろぞろと歩く。




「なんだろうね?」


七美が私に訪ねる。




体育館に行くと、学年主任の先生がまえにでた。



「皆さん、落ち着いて聞いてください。今朝、B組の笹岡春菜さんが息を引き取りました。」



心臓が大きな音をたてた。
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