好き。




「わっりぃ!…、遅れた!」






そう言って走って来たのは
息が整っていない翔留。






「遅ーよ。待ちくたびれた!寝坊か」


雅がそう言って腕を組む。


「わりぃわりぃ!いやー寝坊したわけじゃねーんだが…」






翔留が視線を雅から地面に落とした。






「ま、皆揃ったし、行こっか映画!」






セリがそう言うと皆は各カップル仲良く手を繋いで歩いて行った。






「ん」



あたしが立ち尽くしていると翔留が手を差し出した。



「……なに」



「手、繋がねーの?」



「付き合ってないじゃん」



「えーそんなの関係なくね?」



「あたし彼氏いるから」






あたしはそう言って先へ歩いて行った。






「んなプリプリすんなってー。今日だけじゃん?どーせ彼氏に見られるわけでもねーし」



「そんなの関係ないし。あたしが繋ぎたくないから繋がないの!」



「んじゃ、繋ぎたくなったら言えよ♪」



「………っ」






わけわかんない。






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