好き。
―…
時間が経つのは早い。
雄太と喋ってる内に早く着いた。
「送ってくれてありがと」
「いいよ。俺が送りたかっただけだから」
「はは。じゃあね」
「じゃあな」
自転車をこいで帰る雄太の後ろ姿を見送りながら
あたしは家に入った。
ガチャッ
「おかえりなさい」
リビングから顔を出す母さん。
「…ただいま」
一々「おかえり」とか言わなくていいのに。
「お前、今日は早いんだな」
リビングに行くと、兄の龍があたしを見て笑う。
「なんで笑うのかよく分かんないんだけど」
「彼氏にフラれたか!誰だっけ、えーと…崇史だ!」
「とっくの昔に別れてる」
「はぁ?!兄ちゃん聞いてねーぞ?!」
「言うわけない。てゆーかなんで崇史と付き合ってたの知ってんの」
兄ちゃんは、
バリバリ不良。
18才の高3。
部屋はかなり煙草臭い。