好き。



あたしも廊下に出て、


皆と違う方向へ歩いた。






体育館の反対側へ。






とにかく何処かでサボる。





そう考えながら校舎の中をブラブラ歩いた。





誰もいない校舎。


不気味だけど恐怖なんて感じない。




しんとしている廊下に


あたしの足音が響く。




カツ…カツ…カツ…


カツカツカツカツカツカツ




あたし以外の足音が
急に入ってきた。


さすがに驚いて振り返った。








ドンッ







「きゃっ」



「ってぇ…」






目がくりくりした、
可愛い感じの女がぶつかって来た。






「ごっ…ごめんなさい!!気付いたら誰もいなくてっ走ってたら貴方見つけたんでっ声かけようと思ったら勢いあまってぶつかっちゃって…!!」







すっごい早口で話すそいつは、
半泣きだった。







「いいから、落ち着いて」





あたしがそう言うと


そいつは目を見開いて


満面の笑みを見せた。






なんだこいつ。










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