好き。
「…あ??」
「見苦しいつってんだよ。1年早く生まれたくらいで調子こくなよ」
金髪は顔色を変えてあたしの胸ぐらを掴んだ。
「理紗!ちょっと、殴るのはまずいよ!」
叫んで階段から下りてきたのは、金髪を「理紗」と呼ぶ、茶髪のパーマの女。
多分、金髪の友達だろう。
「殴らないと気が済まない…っ」
あたしを睨み付けて言う金髪。
あらら、
本気で怒らせちゃった。
「理紗の相手はそいつじゃないでしょ!河合芹菜だよ!」
「……」
金髪はしばらくあたしを睨み付け、手を離し、またセリの髪を掴んだ。
「痛…やめろよ!」
「来いよ」
金髪と茶髪がセリを捕えて階段を一歩一歩下りて行く。
黙ってみているわけがない。
「おい、セリを離せよ!」
そう怒鳴っても、
足を止めない先輩方。
「ふざけん…っ」
「未耶!」
セリはあたしの方を向いて言葉を遮った。
「あたし、大丈夫だから」
「大丈夫」だ?
意味が解んない。
何が大丈夫なんだよ。
2人の先輩に
髪を掴まれてんだよ?
大丈夫なわけないだろ!