さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

頬から首筋へ、涙の跡をたどりながら、ソリャンの柔らかな唇が移動して行く。

その体温が火傷しそうなほど熱く感じて、

レイラは背中から全身が痺れて動けなくなった。


「レイラ」


低い声でレイラの体を縛りとめると、

その細腰をぐいと引き寄せ、抱き上げる。


そのままわきにある寝台へと体を移動させ、押し倒した。


レイラの瞳を真正面から捕らえると、


「ソ、ソリャン様」


不安に揺れるレイラの濡れた睫が、大きな瞳を覆い隠す。


「大丈夫、怖がらなくていいよ」


ソリャンの左手が衣の裾から入り込み、レイラの太ももをするりと撫でる。

レイラの鎖骨に唇を落とそうとして、ソリャンの手が硬直したように止まった。


その手はレイラの、骨盤の下にある。



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