さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

かけられた体重がすっとひいていくのを感じて、

レイラはうっすらと目を開いた。


ソリャンが自分のまくれあがった衣の下を、凝視している。


はだけた衣を調えようと手を伸ばすと、

それを制止するようにソリャンの腕が伸びた。


「ソリャン様?」


「レイラ。君、この刺青どうしたんだい?」


ソリャンの声音はいつもと変わらぬように思えるが、

握られた指先がひどく冷えているように感じた。


刺青といって指差すのは、レイラの太ももにある青黒いあざだ。


「あ、の。これは子どもの頃の怪我でできたあざで」


「怪我だって!?」


ソリャンが顔をしかめる。


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