さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

はっと息を吸って、両手で口を押さえる。

本当に嘘がつけない子だね、と言うソリャンの瞳に笑みはない。


「ちょっと気になることがあってね。調べたんだ。

君は一体何者?ジマールと一緒に私を騙してたの?」


「ち、違います!」


悲鳴のような声をあげてから、自分自身に問う。

騙していたのは、事実ではないか。


「からかって遊んでた?」


「そうじゃありません」


どういって説明すればいいのか。

本当の事を言えば、家族が殺されてしまう。

だが、ソリャンをごまかすこと、それはつまり嘘を塗り重ねることだ。



・・どうすればいいの!?



涙が浮かぶ。

嗚咽が漏れそうになって、レイラは唇を噛み締めた。


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