さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
ユーリ?と強く名を呼ばれ、
「うわっ、は、はい!」
とっさに返事をしてから、
「ええと、なんだっけ?」
崩れた笑いを浮かべると、カマラの瞳が半分の大きさに閉じられた。
どうも、見下されている感が否めない。
「あのね。あなたの事を説明してくれる約束でしょう?
父や皆を助けてくれたことに関しては、感謝してるわ。
でもね、
あなたを完全に信用したわけではないの。
レガ国の人間であるあなたが、私たちを利用して協力させたいなら、
ちゃんと納得のいく説明をちょうだい」
「ごめん、ごめん。
ええとね、協定の話はしたっけ?」