さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

何もなかった風景に、一軒、また一軒とレンガ造りの家が顔を見せる。

賑やかになってきたと思ったら、

すぐに、それらが密集して立ち並ぶ街が姿を現した。


「俺たちは、レガ国王の命令でその調査をしてる」


目的地に着いて、ユーリは馬の歩みを遅めた。

後ろに並ぶ兵士も次々と手綱をさばき、歩調をあわせる。


湖が目の前に迫ると、ユーリは全員に下馬するように指示し、

自らも馬を下りた。


「どう?信用してくれた?」


ユーリは手綱を持ったまま、にっこり笑ってカマラを見上げる。


カマラは横目でちらりとユーリを見下ろすと、馬上から声をかけた。


「ちょっと聞いていい?」


「何?」


「あなた、私たちを助けに来たと言っていたけど、

どうやって助けるつもりだったの?」



< 153 / 366 >

この作品をシェア

pagetop