さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
父から真実を聞いた今なら、すんなり納得がいく。
むしろ、今の今まで自分が疑問に思わなかったのが不思議なくらいだ。
・・レイラ。きっと助けるから、どうか無事でいてね。
血のつながりがないことがわかったところで、
14年という歳月の間に培ってきたものを無にすることなどできない。
カマラはぐっと視線を上げ、進行方向を眺めた。
おだやかな湖面を、船が作る白い波が騒がせる。
かき乱された水面は、太陽の光を受けてまぶしいほどに輝いた。
(つづく)