さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

窓から外を眺めるが、高い場所にあるということ以外、わからない。

とてもそこから出られそうもないとあきらめ、壁伝いに目で扉を追う。


それはすぐに見つかった。

だが、とても安心することはできなかった。

足音に注意して扉の前に移動する。


取っ手に手をかけ、開く前に一呼吸してから振り返った。


天蓋のついた寝台は、レイラの部屋のものの倍くらいの大きさはありそうだ。

調度品も金銀をあしらったものが無造作といえるほどに、

あちらこちらに積みあがっている。


部屋の中が異様に明るいのは、

これまた粋を凝らした複雑な模様の燭台がいくつも置かれているからであり、

一見して贅を尽くしているように思えた。



・・知らない部屋だけど、すごく立派な設えだわ。まるで。



レイラは背筋がぞっとした。



マルデ、オウノヘヤノヨウ。




< 226 / 366 >

この作品をシェア

pagetop