さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
サジたちに危険が及びそうだと察し、レイラは膝に置いた拳に力を込める。
「誤解です!
私は・・・私が今までソリャン様に話したことが全てです!
サジは関係ありません!」
「それじゃあ、サジは本当にジマールの私兵だっていうのかい?」
「それは」
「やはりミゲルの弟子なのだろう?」
「違います!!
お父さんには確かに弟子がいました。けど、それは大工のです」
「リュートとホック?」
ソリャンから出てきた意外な名前に、レイラは血の気が引いた。
「どうして、知っているの」
答えを聞かない方がよいと本能が告げたが、
ソリャンは立ち上がると、レイラの様子には構わず部屋の中を歩きながらぶつぶつ呟き始めた。
「やはりね。ミゲルが姿を消した時、あの二人も姿を消したんだ。
彼らはミゲルに心酔してたからね。
あの三人がいなくなってから、暗殺部隊は水準が落ちてしまった。
僕も気に入らないやつの首をはねてたら、ハスナしかいなくなっちゃった。
だから、ミゲルにはぜひ帰ってきて欲しかったのに。
まさか、火事で失うことになるなんて。ほんと、残念だよ」