さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

「貴様っ!!」


カマラがソリャンに殺意を向けた瞬間、

自分から意識がそれたと知ったジウチがすかさずカマラの腕を振り切り、

ソリャンの方へと走った。自分の主の元へと。


が。


次の瞬間。

ドサ、という音とともに、ジウチの体が崩れた。

がくがくと震える膝は体重を支えきれず、やがて床にひざまづくような格好になる。

その手は、体中の力を絞り出すように懸命にソリャンの衣のすそを握りしめている。


「な、なぜです。ソ、ソリャン様・・・」


恨めしそうな瞳を向けるジウチに、ソリャンは顔色を変えず、

血まみれの剣をもう一度振り下ろした。


ジウチは力なく床にひれ伏し、今度こそ置物のように動かなくなった。

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