さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「いくらあなたが王族だからって、国の犠牲になる必要なんてないのよ。
もともとそのせいで、つらい思いをしたんだし。
まぁでも、レイラが王になれば、正式に結ばれるって手もあるから、
国を背負うっていうのも悪くないかもしれないけどね」
カマラは軽く片眼をつむって、口角を上げる。
「む、結ばれるって。お姉ちゃん・・・」
その意味に気付き、レイラの耳までが赤く染まった。
そんなところまで考えていたわけではないのだ。
「サジさんはレガ国では王に会えるくらい身分の高い人なんでしょうけど、
あなたがリア国の王になれば、身分的にはこちらが上になるわけだし。
王になれば婚姻の話が山と出るでしょうから、
その前に話を進めてしまう方がいいのかも」
レイラに任せておいたんじゃあ、いつのことになるかわからないものねぇ、などとつぶやきながら、
カマラは腕を組んで、天井を向くとなにやら思案気な顔つきになる。