さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
頭の上から落ちてきた反省を促すはずの言葉は、
意外にもやさしさがこもっているように聞こえ、
レイラは盗み見るように上目づかいでサジを見つめた。
目が合うと、サジはふっと唇に笑みを刻み、とろけるように微笑んだ。
とたんに、レイラの心臓が大きく跳ねた。
そんなサジの笑顔を、こんな間近で見るなんて夢のような気がして、
レイラは恥ずかしさに顔をそむけた。
『一日一回のドジ』
サジに会ったばかりの頃のことを思い出すと、思わず笑みがこぼれる。
・・そういえば、サジが大笑いしたんだっけ。
最初はユーリが首をかしげる理由がわからなかったが、
今から考えれば、幻でも見たのかと思う。
めったに表情を変えないサジが腹を抱えているなんて。