さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
『あざの話は、他人にしてはいけないよ』
わざわざ隠さなくても、普段の生活であらわになるようなこともないので、
父からの忠告をさして気にしたことはなかった。
もちろん、破ったこともなかった。
今日までは。
・・サジさんに知られちゃったけど、別に平気よね?
父の言葉の真意は不明だが、レイラは特別関心を払わず、
すぐに別のことに思いをはせた。
・・ユーリさんの用事ってなんなのかしら。
まさか、リア国王に自分の事をばらしに行ったのでは、と疑って、
レイラはすぐに勢いよく顔を左右に振った。
一度信じると決めてしまったのだ。
疑うばかりでは、先に進むことはできない。
それに。