さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「一体どういうこと?」
カマラはミゲルの言葉が理解できず、声の音を落としていぶかしげに尋ねた。
重い沈黙が彼らを支配する。
瞬きするほどの時間が、永遠のように感じ始めた時、
ミゲルがやっとのことで固く閉ざされた口を開いた。
「レイラは、
あの子は、
リア国王の実の子どもなのだ」
「なんですって!?」
はっと息を吸って、思わず兵士に目を向ける。
幸い動揺した自分の声は届いていないようだ。
「あぁ、私はなんということを!」
ミゲルは頭を抱えて椅子から転げ、その場に崩れた。
カマラの手の中にあった杯が、するりと手を離れ床を目指す。